前回紹介したノムさん追悼特集が999号で、本誌は記念すべき1000号となった。
1000号にもなると、掲載された選手も錚々たるメンバーとなっている。表紙のイチローに、武豊、子どもの頃のアイドルだったアイルトン・セナもいる。
イチローが引退してはや1年が経った。満員の東京ドームで現役生活に別れを告げたが、今年コロナウイルスでこんなことになるとは誰が予想できただろうか。
イチローの引退日3月21日はセナの誕生日で、イチローの背番号51は、セナの命日5月1日と奇妙な縁がある。セナの命日は、武豊と駆け抜けた名馬を挙げたら10傑に入るサイレンススズカの生まれた日だ。
セナがホンダのエンジンを背に勝つのが当たり前のように思っていた。イチローが引退するなんて夢想だにせず、いつまでも現役で安打を打ち続けると思っていた。イチローは引退し、セナに至ってはすでにこの世にいない。当たり前の日は続かない。武豊も苦難の時期を過ごした。
ただ、武豊はどん底から戻ってきた。落馬事故で成績を落とし、思うように勝てなくなって引退まで囁かれたが、彼は諦めなかった。
無抵抗に引退に向かっていくのは嫌だったので、余計に燃えました。
絶対に戻ってやろうって。
Number(ナンバー)1000「創刊1000号記念特集 ナンバー1の条件。」 より
武豊は2013年にキズナでダービーの頂点に戻ってきた。そして今年は、久々にクラシック路線で複数のお手馬に恵まれている。私たちが当たり前に目にしていた光景が戻ってきたのだ。
贅沢を承知で言おう!今年はアドマイヤビルゴでダービーを獲ってほしい。近藤オーナーに捧げる勝ち星。泣いちゃうかもなあ。