血統の教科書 亀谷敬正著 ディープインパクトとキングカメハメハ亡き後の日本競馬界

平成の日本競馬界を牽引してきた2頭のスターホースである、ディープインパクトとキングカメハメハ。

それぞれ一歳違いの先輩後輩ダービー馬であるが、何より馬主が同じ金子真人氏であることが凄い。リアルダービースタリオンを地でいく話だが、競走馬を引退してからの活躍も凄まじかった。

ダービー馬となる為に必須の血脈

二頭は種牡馬となってからも子どもたちが数々の名勝負を生み出してきた。特にホースマンであれば誰もが憧れる日本ダービー(東京優駿)は、近年ほぼこの二頭の血でないと勝てなかったほどだ。平成最後のダービー馬となったワグネリアンに至っては、父ディープ、母父キングカメハメハである。もちろん、馬主は先述した金子真人氏だ。

本書、血統の教科書でなるほどどうなづかされた記述がある。過去10年の日本ダービー馬は、血統にサドラーズウェルズの血が入っていないのだという。凱旋門賞など、欧州の大レースを勝つ為には必須の血が、日本ダービーを勝つ為には逆に邪魔なんだとか。嘘だと思ったら、過去の勝ち馬の血統を調べてみるといい。確かに、今年人気となって敗れたサートゥルナーリアも、サドラーズウェルズの血を内包していた。

金満血統王国の王様こと田端到氏が血統について語りまくる、サラブレの人気連載をまとめた本書もおすすめ。