「ズバ抜けた問題児」とはどんな子なのか?
本書の「問題児」という表現は釣りだ。
著者はタイトルに「問題児」という文句を入れてあるが、本書は昨今言われている発達障害の子についての愛が非常にあふれ、前向きで勇気をもらえる内容となっている。
落ち着きのない子は、学校教育という場において不都合である。授業を進行する上で、落ち着きなく動いたり、場にそぐわない発言をして、妨げになるからだ。
一つのことに集中できないのは「不注意」ではなく、ありとあらゆるものに敏感に注意が向いてしまうからで、狩人であればこの能力はプラスに働くと言ってのける。常にキョロキョロと周囲を伺い、獲物や木の実がないか見回す。そして、いざ狩りが始まったら瞬時に行動できるのだ。
学校の先生から授業中に落ち着きがないからと言われて、「ウチの子は周囲に馴染めないんだろうか」と悲観する前に本書を読んでもらいたい。前向きな気持ちになること請け合いである。