ウイリアムズにはレッド5がお似合い
今号のレーシングオン No.505 F1最熱狂期 PartⅣ表紙は伝説のマシンFW14B。それまで無冠の帝王と呼ばれていたナイジェル・マンセルに、最初にして最後のワールドチャンピオンのタイトルを獲らせた栄光のマシンだ。
この時期は日本もF1ブームの真っただ中で、地上波でも様々なメディアでもF1が取り上げられていた。アイルトン・セナの人気もあり、熱狂が凄かった。
このウイリアムズ・ルノーのマシンに覇権を取られ、ホンダも第二期活動を終了してしまった。セナの腕とホンダエンジンで数々のタイトルを獲得してきたマクラーレンであったが、エンジンだけで勝てる時代は終わろうとしていた。
いや、本号にはFW14B の心臓を開発したルノーのベルナール・デュドのインタビューも載っているのだが、エンジン単体で見ても、ホンダの威光に陰りが出ていたことがわかる。究極のエンジンを目指し、大きく重いV12に開発の舵を切ったホンダと、マシンとの調和を図り、V10のレイアウトを選択したルノー。
ホンダエンジンのパワーに頼ってシャーシの性能が及ばなかったマクラーレンとの関係は、ついこの前袂を分かった時の様子に似て皮肉なものである。ホンダを失った翌年に苦肉の策でフォードV8を搭載し、ハイテク武装でウイリアムズを追い詰めたマクラーレンMP4/8の活躍もまた皮肉ではあったが。
この時代の中心にあったアイルトン・セナがこの世を去ってはや26年が経とうとしている。そして、今年は日本のF1ブームの立役者であったモータージャーナリスト、今宮純氏もこの世を去ってしまった。
本書の最後に、氏を偲ぶ一文が寄せられている。これがまた涙を誘う。
あの1994年5月1日、アイルトン・セナが天に召されたイモラで、現地から振り絞るような声でレポートした今宮さん。ファンの気持ちを代弁するように涙を流した後で発した言葉が今でも忘れられない。
それでも、F1は続いていくんです。