昨日から4都市のドームを回る氷室京介のKYOSUKE HIMURO”LAST GIGS”が大阪からスタートした。2014年に特定の音域が聞き取れないとの理由により、ライブ活動からの引退を表明したが、今回がその最終ツアーとなる。
私が氷室京介の音楽に触れたのは、まだ中学生であった約30年前。クラスメートの友人宅で聴かされた一枚のアルバムがきっかけであった。
そのアルバムはBOOWYの“LAST GIGS”。かつて氷室京介が所属した伝説のバンドのライブアルバムである。
田舎の中学生であった私にとって、このアルバムを初めて聴いた時の衝撃と感動はかなりの物であった。友人に頼んでカセットテープに録音してもらい、何度も擦り切れるまで聴いた。そのうちカセットテープがダメになり、レコード店でCDを購入した。
そこからBOOWYのアルバムを収集し始め、次に購入したのは”GIGS JUST A HERO TOUR 1986″だった。有名なMCである、「ライブハウス武道館へようこそ!!」は本当にカッコよかった。
月日は流れ、それまでのCDやカセットテープはiPodに取って代わられた。かつてのように、枚数や曲数を考えずに音楽を携帯できるようになったのは便利であるが、BOOWYやヒムロックの曲はいつでも聴ける状態であるという安心感からか、数ある収録曲の一部となり、次第に再生回数は減っていった。
自分も家庭を持つようになったことから、いつも再生している曲は妖怪ウォッチ関連が中心となっていた。忙しさや子どもの為ということを言い訳に、氷室京介から卒業していたのかも知れない。
ただ、距離を置いていたとはいえ、かつて熱狂していたアーティストがライブ活動から身を引くということは本当に寂しい。昨日からのツアーの様子が気になって、twitterやinstagramにその様子を求めた。そこには自分と同世代か少し先輩の方々が楽しそうに会場付近の様子をアップしてくれており、近くへ行けないが雰囲気を感じ取ることはできた。いい時代である。
今回のツアーはKYOSUKE HIMURO“LAST GIGS”と銘打たれているが、SNSにアップされている写真を見てみると、ファン同士の同窓会を楽しんでいるように感じられた。様々な理由があって氷室京介やBOOWYの曲から離れていた人たちが一堂に会し、初対面であっても同じ音楽を愛する者として心を通わせている。なんて素敵なことでろうか。
氷室京介から、「お前ら、俺はまだまだ伝説になんかなんねーぞ!!」というメッセージが聞こえたような気がした。
やっぱり、「俺たちは氷室京介を卒業できない」