キャッシュレス覇権戦争 (NHK出版新書) キャッシュレスと商店街

Cashless

誰が300兆円決済市場を制するか?「信用格差社会」をいかに生き延びるか?
ペイペイ、LINEペイ、NTTドコモ、楽天、アマゾン……政府の旗振りの下で吹き荒れる、キャッシュレスの大嵐。IT・金融各社がしのぎを削り、米中巨大資本も虎視眈々と狙う、日本の300兆円消費市場を誰が制するのか? フィンテックがもたらす「信用格差社会」をいかに生き抜けばよいか? 激動の業界と私たちの暮らしの行方を、30年の取材をもとに第一人者のジャーナリストが読み解く。(出版社ページより)

ここ最近、電子決済で世間が賑わっている。
PayPayの騒動は記憶に新しいが、その次はLINE Payが20%還元で攻勢をかけている。

私も遅ればせながらPayPayを登録した(汗)。

電子決済の本当の狙いとは

本書は、電子決済サービスの内幕をわかりやすく書いてくれている。

冒頭は例のPayPay狂騒曲のレポートである。

100億円を導入したキャンペーンがわずか10日で終了してしまったが、一部家電量販店の利用ばかり目立ったことに対し、中小の個人商店開拓に注力してもらいたかったと持論を述べる。

PayPayはサービス開始にあたり、ユーザースキャン(レジにあるバーコードをユーザーが自ら読み込んで決済する方法)を導入する店に対し、手数料3年無料を約束しているという。この事例で紹介されたのは商店街のパン店で、どこにでもありそうな普通の店のようだ。(いかフライパンってどんな味なんだろ?)

パン屋さんで大量購入するケースは少ないだろうから、こういうところでこそスマホで簡単に決済できるとありがたい。香川県に多いうどん屋なんか、もってこいのサービスだと思うのだ。
(支払いの時に万札を出されたりすると本当に大変だ)

本書はここからタイトルの通りキャッシュレス化を進めることの本当の狙いについて話が進んでいく。便利さと引き換えに失うものもあるだろうが、世の中は徐々にそちらの方へ進んでいくのだろう。