食の大国イタリアの病人食は激マズ!?パスタぎらい ヤマザキマリ(新潮新書)

連休中に読もうと思って買い込んだ本の一つ。作者はテルマエ・ロマエが代表作であるヤマザキ・マリ氏だ。

氏はイタリア在住であることから、イタリア料理に詳しく、イタリア料理に対する嗜好性が高いと思われているらしい。会う人が、「毎日イタリア料理が食べられるなんていいですね。羨ましい」と言えば、あなたもやってみれば?と毒気混じりの返答をするという。会食はイタリアン必須と考えて接してくる人には、せっかくなのでイタリアン以外をとお願いするのだという。

私もうどんの王国に暮らすのでなんとなくその気持ちはわかる。世の人は多分この県に暮らす人はうどんが無いと生きていけないと思っているのではなかろうか。まあ、それは半分正解、半分ハズレといったところだろう。 

我々の昼食は、石を投げれば当たるくらいにうどん屋が多いからあまり面倒なことを考えずに選ぶのであって、みんながみんな心から望んでそうしている訳では無い。多分ワンコインで小腹が満たされるという経済的な理由もあるだろう。

私も普段昼食は弁当なので、うどんはたまに食べるかなといった程度である。たまに行くならロードサイドの入りやすい店より、カーナビでもまともに案内するのが難しい、いわゆる「針の穴場 by田尾和俊氏」のように、簡単に人の接近を許さない、昔からある製麺所のような物件だ。

だいぶん話がそれてしまったが、タイトルにあるようにパスタはそれほど好きでは無いが、それ以外に食に対する思いやこだわりが散りばめられていて、読んでいてお腹が空いてくると思う。夜中に読むのは厳禁である。

にぎりめし考という章を読むと、おにぎりに対する思いは日本人皆同じだと思ってホッとするだろうし、世界の病人食を読むと、体力が弱っている時にも、所変われば色んなものがあると驚いてしまった。やっぱり日本のお粥は偉大である。

帰省の道中で肩の力を抜いてゆっくり読みながら、故郷の味に思いを馳せていただきたい。